横浜市の重度障害者医療費(マル障)は、所得制限なし。手当は所得で切られたのに、なぜ医療費は無料なのか

横浜市の重度障害者医療費助成は所得制限なし

障害のある子の支援を調べていて、私が「ここは助かった」と心から思ったのが、重度障害者医療費助成(通称マル障)です。横浜市では、所得制限も年齢制限もなく、対象なら医療費が無料になります。

我が家は、特別児童扶養手当(いちばん大きい手当)を所得制限でもらえませんでした(→ 別記事に詳しく書いています)。共働きで所得のラインを超えているからです。なのに、医療費助成は所得に関係なく受けられている。「手当は所得で切られたのに、なぜ医療費は無料なの?」——同じ疑問を持つ方も多いと思うので、横浜市の例で整理します。

うちの子は重度の知的障害と自閉症、愛の手帳A1(最重度)。横浜市に住んでいます。


目次

重度障害者医療費助成(マル障)とは

重度の障害がある人の医療費の自己負担分を、自治体が助成してくれる制度です。横浜市では「マル障」と呼ばれ、医療証を窓口で出すと、保険診療の自己負担が無料になります(入院・通院とも)。

我が家にとって、これは現金の手当以上に体感的にありがたい支援です。重度の子は通院が多く、医療費を気にせず病院に行けるのは、本当に大きい。


横浜市は「所得制限なし・年齢制限なし」

ここがこの記事の主題です。横浜市の重度障害者医療費助成には、所得制限がありません。年齢制限もありません。

対象になるのは、横浜市の場合、主に次のような方です(2026年時点の目安)。

  • 身体障害者手帳1級・2級(入院・通院)
  • 知能指数(IQ)がおおむね35以下と判定されている方(入院・通院)=愛の手帳A1・A2が目安
  • 身体障害者手帳3級で、かつ知能指数50以下の方(入院・通院)
  • 精神障害者保健福祉手帳1級(通院)

我が家は愛の手帳A1なので、ここに当てはまり、医療証が交付されています。親の所得がいくらであっても、子ども本人が対象なら助成される——これが、所得制限のある手当との決定的な違いです。


なぜ「手当は所得制限あり」「医療費は所得制限なし」なのか

ここが、私が腑に落ちなかったところでした。同じ障害の支援なのに、かたや所得で切られ、かたや所得に関係ない。違いを自分なりに整理すると、こう理解しています。

  • 手当(特別児童扶養手当・特別障害者手当など)=「現金の生活援助」の性格。だから「所得が十分ある家庭には出さない」という線引き(所得制限)が入る。
  • 医療費助成=「必要な医療を受ける権利を保障する」性格。医療は所得にかかわらず誰もが必要なので、横浜市では所得で切らない。

つまり、お金(手当)は再分配の発想で所得制限あり、医療は権利保障の発想で所得制限なし、と考えると筋が通ります。最重度の子を育てていると、「お金は自分たちで何とかするから、せめて医療だけは確実に」という感覚があるので、この設計は素直にありがたいと感じています。


注意:同じ神奈川でも、自治体で違う

ひとつ大事な注意点があります。重度障害者医療費助成は自治体ごとに条件が違います。 「横浜は所得制限なし」がそのまま隣の市に当てはまるとは限りません。

実際、神奈川県内でも、相模原市は2026年10月から所得制限が導入される予定など、市によって扱いが分かれています。「神奈川だから大丈夫」ではなく、お住まいの市区町村で必ず確認してください。

このあたりの「自治体ごとの違い」を条件から確認できるように、私は障害福祉ナビ(横浜市が入力済みで開きます・無料・登録不要)も作っています。お住まいの自治体を選べば、対象になりうる制度の候補が出ます。

▶ 障害福祉ナビで探してみる(横浜市が入力済み)
※年齢は8歳で開きます。お子さんの年齢に直して、もう一度検索してください。


医療費が無料でも、解決しないこと

医療費が無料になっても、「安心して通える病院を探す手間」「遠くまで通う時間」「嫌な思いをする気持ちの負担」までは無料になりません。

重度の知的障害と自閉症がある子を落ち着いて診てくれる病院ばかりではなく、対応の良くない病院で嫌な思いをしたこともあります。うちは、こういう子をきちんと診てくれる専門の歯科を探して、みなとみらいの方まで通っています。お金の支援だけでは埋まらない部分は、確かにあります。

それでも、「医療費を気にせず病院に行ける」土台があるのは大きい。横浜市のこの制度には、率直に感謝しています。


まとめ

  • 横浜市の重度障害者医療費助成(マル障)は、所得制限なし・年齢制限なし。対象なら医療費(保険診療の自己負担)が無料
  • 対象の目安は、身体1・2級/IQおおむね35以下(愛の手帳A1・A2)/身体3級+IQ50以下/精神1級(通院)など
  • 手当は所得制限あり/医療費助成は所得制限なし。手当=生活援助の再分配、医療=権利保障、と考えると違いに筋が通る
  • ただし自治体で条件が違う(相模原は2026年10月から所得制限導入予定など)。必ずお住まいの市区町村で確認を
  • 医療費が無料でも、診てくれる病院を探す手間・時間・気持ちの負担は残る。それでも土台として大きい

我が家の体感として、医療費助成は最も助かっている支援のひとつです。制度の正確な対象・条件は、必ず各窓口でご確認ください。


この記事について

  • この記事は2026年時点の、我が家の記録です。最終更新日:2026年6月28日。対象・条件・所得制限の有無は年度・自治体で変わります。最新・正確な情報は、各窓口や公式サイトで必ずご確認ください。
  • 家族が特定される情報(具体的な年収など)はぼかして書いています。制度や手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。
  • 書き手のプロフィールはこちら → /about/

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この記事を書いた人

重度知的障害・自閉症(愛の手帳A1)の子の義父。再婚で15歳から保護者になり、いま「18歳の壁」——成年後見の申立・生活介護への移行・障害年金の準備を、当事者としてリアルタイムで記録しています。身近に行政書士(義理の叔母)がいて制度を確認しながら執筆。私自身は専門家ではありません。横浜市在住。詳しいプロフィール → https://kazolog.com/about/

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