障害のある子の手当、我が家が「もらえたもの・もらえなかったもの」。所得制限のリアルと、お金・時間・気持ちの話

手当_もらえたもらえなかった_所得制限

「障害のある子がいると、手当っていくらもらえるの?」——調べ始めると、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、医療費助成、自治体ごとの手当…と種類が多くて、正直、頭がこんがらがります。

我が家でも、これらの手続きは妻が中心になって担ってきました。 私(義父)は正直、どれをいつ申請したのか、細かいところまでは把握できていませんでした。

今回、その妻が「一番大変だった」と言っていたことと、我が家に実際いくら入っているのか、そしてお金だけでは埋まらなかったことを、私なりに整理してみます。同じように混乱している方の役に立てばと思います。

うちの子は重度の知的障害と自閉症、愛の手帳A1(最重度)。横浜市に住んでいます。


目次

まず、一番しんどいのは「どれがどの手当か分からない」こと

手当の手続きは、区役所の窓口に行って申請するものもあれば、書類を記入して郵送するだけのものもあります。 制度によってバラバラです。

そして妻が一番大変だったと言っていたのが、これでした。

  • どの手続きが終わっていて、どれがまだなのか
  • 通帳に振り込まれているこのお金は、いったいどの手当なのか

——これがごちゃごちゃになって、分からなくなる。

手当ごとに、申請先も、振込のタイミングも、通帳に出る名義も違います。さらに、毎年「現況届」という更新書類が届くものと、届かないものがある。 気づくと「あれ、この入金、何の手当だっけ?」「これ、今年の更新はもう出したっけ?」となる。

制度そのものより、この“管理のしんどさ”が地味に効いてくる、というのが我が家の実感です。だから、まず自分たちのために整理しました。(整理のコツは記事の後半に書きます。)


🔍 「うちの子には何が当てはまる?」を、その場で探せます

制度の名前を知らなくても大丈夫。お住まいの市・年齢・手帳を選ぶだけで、当てはまる可能性のある制度が一覧で出る無料ツールを作りました(神奈川の横浜・川崎・相模原+国・県に対応/登録不要)。最終的な可否は必ず窓口でご確認ください。

▶ 障害福祉ナビで探してみる(横浜市が入力済み・無料・登録不要)

我が家が「実際に受けている」支援(〜20歳まで・概算)

制度 内容 月額の目安 所得制限
障害児福祉手当 重度の障害で常時介護が必要な在宅の子に 約15,000円 あり(受給中)
神奈川県 在宅重度障害者等手当 県の独自手当 約5,000円(年6万円ほど) 受給中
児童手当 子育て世帯へ。障害の有無に関係なく 約10,000円 なし
横浜市の移動支援(タクシー券 or ガソリン費助成) 通院・外出の負担軽減。どちらか選択制 (券・助成) 受給中
重度障害者医療費助成(マル障) 医療費が無料/軽減 医療費そのもの 受給中

※2026年時点・我が家の概算です。制度名や金額は年度・自治体で変わります。

毎月「現金で」入ってくる手当の実質は、3万円ほど。「障害があると手当がたくさん出る」というイメージより、少ないと感じる方もいるかもしれません。

ただ、現金以外の支援も大きいです。特にありがたいのが、後で書く医療費の無料化と、タクシー券かガソリン代の助成(横浜市では、毎年どちらかを選べます。通院が多い我が家では本当に助かっています)。


医療費が「無料」でも、解決しないことがある

支援の中でいちばん体感的にありがたいのが、重度障害者医療費助成(マル障)です。医療証があり、医療費が無料。これは本当に助かります。お金を気にせず、病院に行きやすい。

——でも、「医療費が無料」と「安心して通える病院がある」は、別の話でした。

この子をちゃんと診てくれる先生に出会うまでには、嫌な思いもしました。 重度の知的障害と自閉症がある子を、落ち着いて診てくれる病院ばかりではありません。対応の良くない病院に行った経験も、正直たくさんあります。

たとえば歯医者。うちは、こういう子をきちんと診てくれる専門の歯科を探して、みなとみらいの方まで通っています。 近所で済む話ではないのです。

医療費が無料になっても、「診てくれる場所を探す手間」「遠くまで通う時間」「嫌な思いをする気持ちの負担」は、無料にはなりません。 ここは、お金の支援だけでは埋まらない部分でした。


もらえなかった手当:特別児童扶養手当(約58,000円)

手当の中でいちばん金額が大きいのが、特別児童扶養手当(1級)で、月額約58,000円。20歳未満の障害児を養育する人に支給される手当です。

ですが、我が家はこれを受給できていません。 理由は、親(受給者)の所得が制限を超えているからです。我が家は所得制限を超える共働き世帯で、この手当の対象から外れています。

最重度の障害があっても、親の所得が高いと、いちばん大きな手当はゼロになる。 これが、制度の現実です。


「所得があるなら、手当はいらないよね?」——分かる。でも。

「所得がある程度あるんだから、手当はいらないよね?」——その理屈は、分かります。仕方ない、とも思っています。実際、収入はある程度あるので。

ただ、ひとつだけ伝えたいことがあります。

障害のある子を世話していくのに必要なのは、お金だけではありません。「お金」「時間」「気持ち」の3つだと、私は思っています。この3つのどれかが欠けると不安が生まれ、その不安は必ず子どもにも伝わってしまう。

そして、この子の育児では「時間」が本当に足りません。

  • 各種の申請のために、平日に有給をとって役所へ。窓口での待ち時間もある。
  • 通院も多い。月に一度の心療内科、歯医者…と、付き添って連れて行きます。前述のとおり、歯医者はみなとみらいの方まで。
  • これらを足していくと、有給だけではとても足りない。

所得で線引きされてお金のサポートが外れると、その分を、「時間」と「気持ち」の余白を削って埋めることになります。ただでさえ共働きで余裕がない中で、です。

だから、「お金を配ってほしい」という単純な話ではありません。所得に関わらず、お金・時間・気持ちの面で、もっと支えてもらえる体制や制度が充実してほしい——最重度の子を育てる中で、素直にそう感じました。


手当を「管理しやすくする」ために(我が家の反省から)

冒頭に書いた「どれがどの手当か分からなくなる」問題。これは、一度きちんと一覧にしてしまうのが、いちばんの対策だと感じています。我が家も後手に回って混乱したので、これから始める方には、最初に作っておくことをおすすめします。

手当ごとに、次の4つをメモするだけでも、だいぶ楽になります。

  1. 名称(通帳にどんな名義で振り込まれるか、も併せて)
  2. 申請先(窓口に行く/郵送、どちらか)
  3. 振込のタイミング(毎月/数か月ごと/年何回か)
  4. 現況届などの更新(毎年あるか・ある場合は何月か)

特に④の「更新」は要注意です。毎年の現況届が必要なものと、不要なものが混在していて、出し忘れると手当が止まることもあります。届く時期(8月など)をカレンダーに入れておくと安心です。

「制度を知る」より前に、「自分が今、何を受けていて、次に何をすべきか」を一枚で見えるようにする。これだけで、気持ちの負担がかなり減りました。

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この記事の4項目+記入例入りのExcelファイルです。→ 手当・サービス管理表をダウンロード(Excel)
※Googleスプレッドシートでも開けます(ドライブにアップロード→開く)。


20歳から変わること(参考)

ちなみに、20歳になると制度が大きく切り替わります。

  • 障害基礎年金(1級):約88,260円(月額・令和8年度/年額1,059,125円)。 これは親の所得に関係なく受け取れます。
  • 特別障害者手当:約30,450円(令和8年4月〜)(こちらは所得制限あり。我が家はギリギリのラインだと試算しています)

20歳から、親の所得に縛られない「年金」に移る——これは正直、少しほっとする部分でもあります。我が家はいま、18歳から20歳までの約2年間を、どう見通しておくか(特別児童扶養手当はもらえないまま、障害基礎年金はまだ、という期間)が課題です。


まとめ

  • 障害児の支援は種類が多く、「どれがどの手当か」を管理するだけでしんどい。 まず4項目で一覧化すると楽になる
  • 所得制限のある手当(特別児童扶養手当など)と、ない支援(児童手当・医療費助成・20歳からの障害基礎年金)がある
  • 親の所得が高いと、最重度でもいちばん大きな手当はもらえないことがある
  • 医療費が無料でも、「安心して通える病院」を探す手間・時間・気持ちは別問題
  • お金は、子どもを支える「3つ」のうちの1つ。お金・時間・気持ちの全部を、制度でもっと支えてほしい

我が家もまだ20歳の壁の手前です。実際に申請や切り替えをしたら、その都度この記録を更新していきます。


この記事について

  • この記事は2026年時点の、我が家の実際(概算)の記録です。最終更新日:2026年6月28日。金額・所得制限・制度名は年度・自治体・所得で変わります。最新・正確な情報は、各窓口や公式サイトで必ずご確認ください。
  • 家族が特定される情報(具体的な年収など)はぼかして書いています。制度や手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。
  • 書き手のプロフィールはこちら → /about/

【参考リンク(公的機関)】
厚生労働省「特別児童扶養手当・特別障害者手当等」
日本年金機構「障害基礎年金」
– 各手当・医療費助成・移動支援(タクシー券/ガソリン費助成)の申請や最新の金額は、お住まいの市区町村(横浜市の場合はお住まいの区の福祉保健センター)の窓口でご確認ください。

「18歳の壁」で、いつ・何をするのか。手当・年金・成年後見・進路を時系列でまとめた実務編はこちら。
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この記事を書いた人

重度知的障害・自閉症(愛の手帳A1)の子の義父。再婚で15歳から保護者になり、いま「18歳の壁」——成年後見の申立・生活介護への移行・障害年金の準備を、当事者としてリアルタイムで記録しています。身近に行政書士(義理の叔母)がいて制度を確認しながら執筆。私自身は専門家ではありません。横浜市在住。詳しいプロフィール → https://kazolog.com/about/

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