【更新 2026年7月】行政書士への相談で、このマップの一部を見直しました(成年後見は急がない/銀行口座の代理人カードを最優先に/特別児童扶養手当は窓口で再確認)。経緯と結論はこちら → 行政書士に見てもらったら、計画が4つひっくり返った話
重度の知的障害がある子を育てていると、18歳の前後で手続きが「津波のように」まとめて押し寄せてきます。
- 親の法定代理権がなくなる(→成年後見)
- 子ども向けの手当が、20歳から年金に切り替わる(→お金の制度が総入れ替え)
- 支援学校を卒業して、日中の居場所が変わる(→進路・契約)
しかも、それぞれ「動き始める時期」がバラバラで、早いものは18歳になる前から準備が要ります。
私自身、調べれば調べるほど「で、結局いつ何をやればいいの?」が分からなくなりました。そこで、我が家の予定を1本の時系列マップに並べ直しました。同じ立場の親御さんが、全体像を一目でつかめるようにまとめます。
うちの子は2008年生まれ。2026年の秋に18歳になります。障害は知的障害と自閉症、手帳は愛の手帳A1(最重度)。横浜市青葉区在住、支援学校の高校3年生で、2027年3月に卒業予定です。
なぜ「18歳の壁」と呼ばれるのか
18歳・20歳の前後で、性質のちがう3つの変化が同時期に重なるからです。
| 変化 | 何が起きるか | 効いてくる時期 |
|---|---|---|
| ① 法的代理 | 18歳で成人。親の法定代理権がなくなり、重度知的障害では成年後見人が必要に | 18歳〜 |
| ② お金 | 子ども向けの手当(〜20歳)から、障害基礎年金(20歳〜)へ切り替わる | 20歳〜 |
| ③ 進路 | 支援学校を卒業し、生活介護などへ。受給者証の新規取得が必要 | 卒業前後 |
①は「18歳になる前から」、②は「20歳の少し前から」、③は「卒業の1年前くらいから」動き出す——というふうに、準備のタイミングがずれているのが厄介なところです。
【全体マップ】17歳〜20歳でやることカレンダー
我が家の予定を時系列で並べると、こうなります。(金額・制度は2026年時点・要確認)
| 時期 | 年齢 | やること | 区分 |
|---|---|---|---|
| 2026年内(18歳前まで) | 17歳 | 横浜家庭裁判所で成年後見の申立書類・診断書書式を入手/かかりつけ医に「18歳になったら診断書を依頼したい」と事前連絡(※準備中) | ①後見 |
| 2026年6月(毎年) | 17歳 | 親の住民税決定通知書で、手当の所得制限を超えていないか確認 | ②お金 |
| 2026年8〜9月 | 17歳 | かかりつけ医に診断書を正式依頼(家裁の指定書式を持参) | ①後見 |
| 2026年の秋 | 18歳 | 成年後見の申立て(横浜家庭裁判所)← この日から申立可能 | ①後見 |
| 申立後 数ヶ月 | 18歳 | 家裁の審理 → 後見人の選任 | ①後見 |
| 2026年度内〜2027年3月 | 18歳 | 生活介護の受給者証を新規取得(卒業前までが目標) | ③進路 |
| 2027年3月 | 18歳 | 支援学校 卒業 | ③進路 |
| 2027年4月 | 18歳 | 生活介護事業所の利用開始 | ③進路 |
| 2028年の秋ごろ | 20歳 | 障害基礎年金(1級)を申請(20歳前傷病として)/特別障害者手当を申請 | ②お金 |
| 20歳到達後 | 20歳 | 特別児童扶養手当・障害児福祉手当の停止手続き(案内が届く) | ②お金 |
ポイントは、一番早い「成年後見の準備」が18歳になる前から始まっていること。後見は申立てから選任まで数ヶ月かかるのが普通なので、逆算すると今から動くことになります。
柱① お金:手当(〜20歳)→ 年金(20歳〜)の総入れ替え
ここが一番、当事者として実感のある部分なので、我が家の「実際」を書きます。
20歳まで:子ども向けの手当
| 制度 | 月額の目安 | 我が家の状況 |
|---|---|---|
| 障害児福祉手当 | 約15,000円 | 受給中 |
| 神奈川県在宅重度障害者等手当 | 約5,000円 | 受給中(年間で約6万円) |
| 児童手当 | 約10,000円 | 受給中(所得制限なし) |
| 特別児童扶養手当(1級) | 約58,000円 | 家庭の所得によっては受けられないことがある |
実際に毎月入ってくるのは、ざっくり月3万円ほどです。
ひとつ注意したいのが、金額の大きい特別児童扶養手当(1級で月5万円超)には所得制限があること。家庭の所得状況によっては、子どもに重い障害があっても受けられないことがあります。私も最初はこの仕組みを知らず、「もらえる前提」で考えていました。手当は家庭によって結論が変わるので、「もらえるはず」と決めつけず、早めにご自身の家のケースを確認しておくのがおすすめです。
20歳から:障害基礎年金へ
| 制度 | 月額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金(1級) | 約102,000円 | 親の収入に関係なく受けられる(20歳前傷病として申請予定) |
| 特別障害者手当 | 約28,000円 | 所得制限あり(要確認) |
20歳になると、親の所得に左右されない障害基礎年金が柱になります。我が家にとっては、ここで初めて「子ども本人の収入」と呼べるものが立ち上がる、という感覚です。手当中心の20歳までと、年金中心の20歳以降では、お金の前提がまるで変わります。
毎年6月の地味なルーティン
手当には所得制限があるので、毎年6月、親の住民税決定通知書で所得が上限を超えていないかを確認しています。年によっては上限ギリギリのこともあり、ここは我が家の毎年の小さな緊張イベントです。
手当の正確な金額・所得制限の基準は自治体や年度で変わります。必ずお住まいの市区町村の窓口(横浜市の場合は区役所の福祉保健センター)でご確認ください。
お金の「実額」と所得制限のリアルは、別記事に詳しく書いています。
障害のある子の手当、もらえたもの・もらえなかったもの
特別児童扶養手当を、共働きでもらえなかった話
「20歳の壁」。特児から障害基礎年金に切り替わるまでの2年
柱② 法的代理:18歳で親の代理権がなくなる → 成年後見
18歳で成人になると、親であっても、子どもの契約や財産管理を当然には代理できなくなります。重度の知的障害がある場合、その役割を引き継ぐのが成年後見人です。
我が家は最重度(愛の手帳A1)なので「後見」類型になる見込みで、18歳の誕生日(2026年の秋)以降すぐに、横浜家庭裁判所へ申立てる予定です。
申立てに必要な書類、費用(申立て自体は数千円〜だが鑑定が必要だと数万円)、スケジュールの具体、そして「誰を後見人にするか」で迷っていることは、別記事に詳しく書いています。
障害のある子が18歳になる日、親の代理権は消える。「成年後見」を選ぶまで
柱③ 進路:支援学校の卒業 → 生活介護への移行
我が家の子は、卒業後は生活介護事業所へ通う予定です。ここで見落としがちなのが、生活介護の受給者証は「新規取得」が必要だということ。今使っている放課後等デイサービスの受給者証がそのまま使えるわけではありません。
- 現在:放課後等デイサービス(受給者証あり)
- 卒業後:生活介護(受給者証を新たに取得)
障害支援区分の確認や事業所の見学・契約も含めて、卒業の1年ほど前から動き始めるのが現実的だと感じています。我が家もここは進行中です。進路の選び方で一番不安だったこと、第一志望での実習5日間の様子は、別記事にまとめました。
特別支援学校の卒業後、進路で親が一番不安だったこと
生活介護の実習5日間、内容と様子
柱④ そのほか、忘れがちなこと
- 医療同意・入院:後見人がいないと、本人に代わって判断する場面で止まることがある
- 税の扶養:我が家は子どもを母親の税務上の扶養に固定しています(毎年の所得確認とセット)
- 相談窓口を先に押さえておく:いざ困ったときに「どこに聞けばいいか」が分かっているだけで、だいぶ楽になります
【我が家が控えている相談窓口】
- 横浜家庭裁判所(成年後見の申立)
- 青葉区役所 福祉保健センター(受給者証・各種申請)
- 横浜市成年後見・あんしんセンター(045-201-0055)
- 神奈川県社会福祉協議会(045-312-5102)
早めに動いたほうがいい、と感じている理由
調べていて一番こわかったのは、「必要になってから動くと間に合わない」手続きがあることです。
- 成年後見は、申立てから選任まで数ヶ月
- 診断書は家庭裁判所の指定書式で、かかりつけ医に早めの相談が必要
- 生活介護の受給者証も、取得まで時間がかかる
どれも「18歳・20歳・卒業」という動かせない期限があるので、期限から逆算して、半年〜1年前から準備するのが我が家の方針になりました。
まとめ
- 障害のある子の「18歳の壁」は、①法的代理(後見)②お金(手当→年金)③進路(卒業→生活介護)が同時期に来ること
- 準備の開始時期はバラバラ。一番早い後見は18歳前から動く
- お金は20歳で「手当中心 → 年金中心」に総入れ替え。手当は所得制限でもらえないこともある
- 期限が固定されている手続きが多いので、逆算して早めに動くのが現実的
我が家はまだ進行中です。実際に手続きを進めるたびに、この記録を更新していきます。同じ時期を迎える親御さんの、地図がわりになればうれしいです。
この記事について
- この記事は2026年6月時点の情報をもとにしています。最終更新日:2026年6月29日。
- 内容は、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。 実際の手続きや金額は、家庭裁判所・市区町村の窓口・専門家(弁護士・司法書士・行政書士)に必ずご確認ください。
- 制度の金額・所得制限は年度や自治体で変わります。最新の正確な情報は公的機関でご確認ください。
- 書き手のプロフィールはこちら → /about/
【参考リンク(公的機関)】
【関連記事】(柱ごとの詳しい体験記)
お金・手当:
- 障害のある子の手当、もらえたもの・もらえなかったもの
- 特別児童扶養手当を、共働きでもらえなかった話
- 「20歳の壁」。特児から障害基礎年金に切り替わるまでの2年
- 愛の手帳A1で受けられる手当・助成 一覧(横浜・我が家版)
- 横浜市の重度障害者医療費(マル障)は所得制限なし——手当との境目
成年後見:
進路・生活介護:
父親・家族・親なき後:
