障害のある子の手当の中で、いちばん金額が大きいのが特別児童扶養手当です。1級(重度)で、月額58,450円(令和8年4月分から)。年にすると70万円ほどになります。
ですが、我が家はこれをもらえていません。 うちの子は重度の知的障害と自閉症、愛の手帳A1(最重度)。最重度の障害があっても、ゼロです。理由は、親の所得が制限を超えているからです。我が家は所得制限を超える共働き世帯で、この手当の対象から外れています。
「最重度なのに、なぜ?」と思う方もいるかもしれません。私自身、仕組みを知るまでは、障害の重さで決まるものだと思っていました。でも実際は、子どもの障害の重さではなく、親の所得で線が引かれます。 ここでつまずく共働き家庭は、たぶん少なくありません。
この記事では、特別児童扶養手当の所得制限がどういう仕組みなのか、どのラインで切られるのかを、我が家の経験とあわせて整理します。
特別児童扶養手当とは
特別児童扶養手当は、20歳未満の、中度〜重度の障害がある子を養育している人に支給される手当です。等級と月額(令和8年4月分から)は、こうなっています。
- 1級(重度):月額 58,450円
- 2級(中度):月額 38,930円
障害児向けの手当の中では、いちばん金額が大きい部類です。だからこそ、もらえる・もらえないの差は大きく感じます。
障害の重さではなく、「親の所得」で切られる
冒頭にも書いたとおり、この手当は子どもの障害の重さでは決まりません。 障害の程度が1級・2級に当てはまっても、親(受給者)の所得が制限額を超えていれば、不支給になります。
我が家は、愛の手帳A1(最重度)です。それでも、所得制限で対象外でした。「最重度だから手厚く支援される」というイメージとは、現実は違いました。
そして、ここが共働き家庭に効いてきます。世帯の所得が上がりやすいぶん、この所得制限のラインを超えやすいのです。
所得制限のライン(限度額表)
では、どのラインで切られるのか。所得制限限度額は、扶養親族の数によって変わります。受給資格者本人(手当を申請する親)の限度額は、次のとおりです(控除後の所得額。2026年時点の目安)。
| 扶養親族の数 | 受給資格者本人の所得制限限度額 |
|---|---|
| 0人 | 4,596,000円未満 |
| 1人 | 4,976,000円未満 |
| 2人 | 5,356,000円未満 |
| 3人 | 5,736,000円未満 |
ここで、見落としやすいポイントが3つあります。
① 「収入」ではなく「所得」で見る
表の数字は、額面の年収ではありません。各種控除を引いたあとの「所得」です。社会保険料控除や医療費控除などを差し引いた額で判定されます。だから「年収◯◯万円を超えたらアウト」と単純には言えません。
② 受給者本人だけでなく、配偶者・扶養義務者にも別の限度額がある
判定されるのは申請者本人の所得ですが、配偶者や、生計を同じくする扶養義務者(同居の祖父母など)にも、別途、より高い限度額が設定されています。世帯の誰か一人でも超えると不支給になり得ます。
③ 16〜19歳の子がいると、限度額に加算がある
特定扶養親族(16歳以上19歳未満の扶養親族など)がいる場合、1人につき限度額に25万円が加算されます。子どもの年齢によって、ラインが少し動きます。
——このあたりは制度が細かく、自治体の窓口でも「正確な額はお住まいの市区町村で確認を」という案内になります。我が家も、最終的には窓口で確認しました。
所得制限で切られた側の、本音
「ある程度の所得があるなら、手当はいらないのでは」——その線引きの考え方そのものは、理解できます。我が家にも、それなりの収入はあるので。
ただ、最重度の子を育てていると、足りないのはお金だけではありません。申請のために平日に有給をとって窓口へ行き、通院にも付き添う。所得でお金の支援が外れると、その不足を「時間」と「気持ち」の余白を削って埋めることになります。
お金・時間・気持ちをめぐる我が家のもう少し踏み込んだ話は、こちらにまとめています。
障害のある子の手当、我が家が「もらえたもの・もらえなかったもの」
20歳になると、所得制限の「性質」が変わる
特別児童扶養手当は、20歳未満の子が対象です。20歳になると、この手当は終わり、本人の障害基礎年金に切り替わります。
ここが大きな転換点です。障害基礎年金は、親の所得ではなく本人の状況で判断されるため、親の所得が高くて特児をもらえなかった家庭でも、20歳からは受け取れる可能性があります(※20歳前に障害があった場合は、本人の所得による別の制限が一部あります)。
一方で、20歳以降に対象になる特別障害者手当には、また別の所得制限があります。我が家はいま、18歳から20歳までの「特児はもらえないまま、障害基礎年金はまだ」という期間をどう見通すかが課題です。この20歳の壁については、別の記事で詳しくまとめる予定です。
まとめ
- 特別児童扶養手当は、障害児向けの手当でいちばん大きい(1級 月58,450円・令和8年4月分から)。対象は20歳未満
- ただし子どもの障害の重さではなく、親(受給者)の所得で支給・不支給が決まる。我が家は最重度A1でも、所得制限で不支給
- 限度額は扶養親族の数で変わる(受給者本人・扶養2人で所得535.6万円未満が目安)。「収入」ではなく控除後の「所得」で見る点に注意
- 配偶者・扶養義務者にも別の限度額があり、16〜19歳の子がいると加算もある。正確な額は必ず窓口で確認を
- 20歳で特児は終わり、親の所得に縛られない障害基礎年金に切り替わる。その手前の2年が、共働き家庭には悩ましい
我が家もまだ20歳の壁の手前です。実際に切り替えをしたら、その都度この記録を更新していきます。
この記事について
- この記事は2026年時点の、我が家の記録です。最終更新日:2026年6月28日。金額・所得制限・制度名は年度・自治体・所得で変わります。最新・正確な情報は、各窓口や公式サイトで必ずご確認ください。
- 家族が特定される情報(具体的な年収など)はぼかして書いています。制度や手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。
- 書き手のプロフィールはこちら → /about/
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【参考リンク(公的機関)】
- 厚生労働省「特別児童扶養手当」
- 所得制限限度額の正確な額・控除の範囲は、お住まいの市区町村(横浜市の場合はお住まいの区の福祉保健センター)の窓口でご確認ください。
