「18歳の壁」はよく聞きます。放課後等デイサービスが使えなくなり、生活介護などへ移る。親の代理権が消えるので成年後見を考える。——これは主にサービスと、代理権の壁です。
でも、お金の面でいうと、本当の切り替えは20歳でやってきます。私はこれを、勝手に「20歳の壁」と呼んでいます。
20歳になると、子ども向けの手当が終わり、本人の障害基礎年金に切り替わります。我が家はいま、18歳から20歳までの「その手前の2年」をどう見通すかが課題です。この記事では、20歳で何がどう変わるのか、我が家が直面している谷も含めて整理します。
うちの子は重度の知的障害と自閉症、愛の手帳A1(最重度)。横浜市の支援学校の高校生です。
20歳で「子どもの手当」から「本人の年金」へ
ざっくり言うと、20歳をはさんで、お金の出どころがこう変わります。
- 〜20歳:親が受け取る「子ども向けの手当」中心(特別児童扶養手当・障害児福祉手当など)
- 20歳〜:本人が受け取る「障害基礎年金」+「特別障害者手当」
ポイントは、支給の判定が「親の所得」から「本人の状況」に移ることです。ここが、共働きで所得制限に引っかかってきた我が家のような家庭には、大きな意味を持ちます。
20歳から受け取れる障害基礎年金(令和8年度)
20歳前から障害がある子は、20歳になると障害基礎年金を請求できます。金額は等級で決まっていて、令和8年度はこうなっています。
- 1級:年額 1,059,125円(月額にすると約88,260円)
- 2級:年額 847,300円(月額にすると約70,608円)
ここがいちばん大事な点です。障害基礎年金は、親の所得では止まりません。 本人の年金だからです。
特別児童扶養手当は、親の所得が高いと不支給になりました(我が家はこれでゼロでした)。でも障害基礎年金は、親がいくら稼いでいても、本人が対象なら受け取れます。 所得制限で手当をもらえなかった家庭にとって、20歳は「親の所得に縛られないお金が、ようやく入る」転換点になります。
ただし注意点として、20歳前から障害がある場合の障害基礎年金には、本人の所得による制限があります(前年の本人の所得が一定額を超えると、半額または全額が止まる仕組み。目安として、本人の所得が約472万円を超えると全額停止、約370万円を超えると半額停止とされています)。とはいえ、重度で就労が難しい本人にこれだけの所得が立つケースは多くないため、実際には満額に近い形で受け取れる家庭が多いと思います。我が家も、ここは大きな心配はしていません。
20歳から対象になる特別障害者手当には、所得制限がある
20歳になると、もう一つ、特別障害者手当の対象になり得ます。重度の障害で常時特別の介護が必要な在宅の人への手当で、令和8年4月からの月額は30,450円です。
ただし、こちらは年金と違って、所得制限があります。 受給者本人だけでなく、配偶者や扶養義務者の所得も見られます。つまり、障害基礎年金は親の所得に関係なく受け取れても、特別障害者手当の方は、また所得制限の壁が出てくるということです。
我が家は、この特別障害者手当については、もらえるかどうかギリギリのラインだと試算しています。「20歳になれば全部すっきり解決」ではなく、年金は親所得フリー/手当はまた所得制限ありという、少しややこしい切り替わりになります。
我が家が直面している「2年の谷」
整理すると、我が家にとっての18歳〜20歳は、こういう期間です。
- 特別児童扶養手当(いちばん大きい手当)は、所得制限でもらえないまま
- 障害基礎年金(親所得に縛られないお金)は、20歳までまだ始まらない
つまり、一番大きいお金が、どちらも入らない2年間です。我が家はこの谷を、ある程度覚悟して見通しておく必要があります。
もちろん、この期間も、障害児福祉手当(〜20歳・月15,000円ほど)や医療費助成、移動支援といった支援は続きます。生活が立ち行かない、という話ではありません。ただ、「最重度の子なのに、一番大きな手当は所得制限でゼロ、年金はまだ先」という2年があるのは事実で、ここは制度の谷だと感じています。
20歳の申請は、いつ・何をするのか
障害基礎年金(20歳前傷病)の請求は、20歳になったらすぐにできます。 大まかな流れはこうです。
- 20歳の誕生日の前後3か月以内の障害状態を記した診断書を、かかりつけ医などに用意してもらう
- 年金事務所(または市区町村の窓口)で請求手続きをする
- 知的障害の場合は、20歳前から障害があることが前提なので、初診日の証明などは比較的シンプルなことが多い
我が家はまだ20歳の手前なので、これは「これからやること」です。実際に診断書の依頼や請求を進めたら、その記録はまた別の記事で書きます。今は、20歳が近づいたら早めに動けるよう、必要書類とスケジュールを頭に入れておく段階です。
まとめ
- 「18歳の壁」がサービス・代理権の壁なら、お金の本当の切り替えは「20歳の壁」
- 20歳で、子ども向けの手当(特別児童扶養手当など)が終わり、本人の障害基礎年金に切り替わる(1級=年1,059,125円/月約88,260円・令和8年度)
- 障害基礎年金は親の所得で止まらない。所得制限で手当をもらえなかった家庭にとって大きな転換点(※本人の所得制限はあるが、重度の本人には影響しにくい)
- 一方、特別障害者手当(月30,450円)には所得制限がある。20歳で全部が所得制限フリーになるわけではない
- 我が家は、特児はもらえないまま・年金はまだ、という18〜20歳の「2年の谷」を見通し中
- 障害基礎年金は20歳になったら請求可能。誕生日前後3か月の診断書が要。早めに準備を
我が家もまだこの壁の手前です。実際に20歳の申請をしたら、その都度この記録を更新します。
この記事について
- この記事は2026年時点の、我が家の記録です。最終更新日:2026年6月28日。金額・所得制限・制度名は年度・自治体・本人の状況で変わります。最新・正確な情報は、各窓口や公式サイトで必ずご確認ください。
- 家族が特定される情報(具体的な年収など)はぼかして書いています。制度や手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。
- 書き手のプロフィールはこちら → /about/
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【参考リンク(公的機関)】
