「18歳の壁」という言葉を初めて聞いたとき、正直、制度の話だと思っていました。
後見だ、年金だ、手続きが大変だ——もちろんそれもあります。でも、実際に向き合ってみて一番こたえたのは、手続きの多さそのものよりも、別のところにありました。
誰も、先回りして教えてくれない。
私は再婚で、重度知的障害・自閉症の子の義父になりました。この子の「18歳」に向き合い始めたのは、ここ2年ほどのことです。最初は、何がわからないのかすら、わからなかった。
学校は「進路」は教えてくれる。でも、それだけ
支援学校はとても丁寧です。卒業後の生活介護のこと、実習のこと、日中の居場所のことは、ちゃんと一緒に考えてくれます。それは本当にありがたい。
でも、学校の役割の外側——たとえば、
- 成年後見の準備を、いつ始めるべきか
- どの手当が、いつ終わって、いつ始まるのか
- 何を、どの窓口に、いつ聞けばいいのか
こういう「やっておいたほうがいいこと」は、誰かが先回りして教えてくれるわけではありません。
聞けば、教えてもらえます。調べれば、情報もあります。でも、「聞かないとわからない」「そもそも何を聞けばいいかわからない」——その状態が、ずっと続く。
情報が縦割りで、全体像が見えない
しんどさに拍車をかけたのが、窓口の縦割りでした。
- 成年後見は、家庭裁判所
- 生活介護は、区役所の障害福祉課
- 手当は、また別の窓口
- 年金は、さらに別
それぞれが、それぞれの担当のことしか教えてくれない。「で、全体としては何を、いつやればいいの?」という地図を、誰も持っていない。だから、自分で描くしかありませんでした。
私自身は、もともと物事を整理して考えるのは、どちらかといえば得意なほうです。それでも「どこから手をつければいいか」で、最初はつまずきました。
結局、知っているか・動けるかが、全部「親」に委ねられる
一番こわいと感じたのは、ここです。
知っていれば動ける。知らなければ、もらえるはずのものをもらい損ねたり、間に合わなかったりする。そして、その差を埋めてくれる人は、基本的にいません。親が知っているかどうか、親が動けるかどうかに、すべてがかかっている。
たまたま情報にたどり着けた家庭と、そうでない家庭で、受けられる支援が変わってしまう。そんなことがあっていいのか——と思いながら、それでも目の前の手続きを、ひとつずつ進めています。
だから、記録することにした
このブログを始めたのは、そういう理由です。
制度のきれいな解説は、調べれば出てきます。でも、「実際にやってみたら、こういう順番でつまずいた」「ここが分かりにくかった」という当事者の生の記録は、意外と少ない。
だったら、自分が通った道を残しておけば、同じ時期を迎える誰かの「地図」がわりになるかもしれない。そう思っています。
うちの子は支援学校の3年生で、もうすぐ18歳になります。成年後見の準備は、これから本格化します。動くたびに、ここに書いていきます。
実際に「いつ・何をするのか」を時系列でまとめた実務編は、別記事にしました。手当や年金の金額、手続きの流れを具体的に知りたい方は、こちらをどうぞ。
障害のある子の「18歳の壁」。手当・年金・成年後見・進路を時系列で全部書き出した
この記事について
- この記事は2026年6月時点の、私個人の体験と気持ちの記録です。最終更新日:2026年6月14日。
- 制度・手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。実際の手続きや金額は、各行政窓口や専門家にご確認ください。
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