支援学校を卒業したあと、うちの子は「生活介護」に通う見込みです。その前に、卒業後の通所先を決めるための「体験実習」がありました。平日5日間、第一志望の事業所に通いました。
この実習、いざ決まると分からないことだらけでした。何をするのか。何を持っていけばいいのか。親は何をすればいいのか。 誰も先回りしては教えてくれません。我が家も、事前面談で一つずつ確認して、ようやく準備ができました。
そこでこの記事では、実習の中身・持ち物・1日の流れを、実際に5日間通ってみた視点で一枚にまとめます。これから体験実習を控えているご家庭の、準備の足しになればと思います。
なお、面談で「頑張りすぎなくていい」と何度も言ってもらえた話と、5日間を終えて感じたことは、別の記事に書いています(最後にリンクを置いています)。この記事は「実務・準備」に絞ります。
そもそも、生活介護の体験実習とは
体験実習は、卒業後の通所先を正式に決める前の「お試し」です。本人が実際に施設へ通ってみて、合うかどうかを本人・家庭・学校・施設のみんなで一緒に確かめます。 うちの場合は平日5日間でした。
うちの子は重度の知的障害と自閉症、愛の手帳A1(最重度)。横浜市の支援学校の高校3年生です。実習先は我が家の第一志望でした。複数を同時に見比べるのではなく、第一志望にまず実習に行き、難しければ次へという「一つずつ」のかたちで進めています。だから、1回の実習がそのまま本命への挑戦になります。
実習が始まる前には「事前面談」があります。我が家はこの面談があること自体を直前まで知りませんでした。集まったのは、本人・親(私と妻)・学校の進路担当の先生・担任の先生・施設の担当者さんの6人。ここで持ち物や配慮事項をすり合わせます。
持ち物チェックリスト(面談で確認したもの)
「結局、何を持っていけばいいのか」が一番知りたいところだと思うので、面談で確認して、実際に使ったものをそのまま書きます。
- 上履き(実習期間中は施設に置きっぱなしでOK。付き添いの先生のぶんも同様)
- 予備の着替え/置いておく用 一式(期間中ずっと施設に置いておける)
- 予備の着替え/毎日持っていく用 一式(食事・トイレ・引っ掛けに備えて、毎日新しいものを)
- 着替えを入れる袋(汚れ物の持ち帰り用)
- 水筒(任意。施設のお茶で足りればなくてもOK)
- 昼食代(最終日にまとめて精算でもOK)
- 動きやすい普段着(制服や改まった格好は不要)
着替えは「いくつかあると安心」とのことで、”置いておく用”と”毎日持っていく用”を分けて用意しました。慣れない環境では、疲れや緊張からトイレの失敗が出ることもあります。実際、最終日に失敗がありました。多めに用意しておいてよかったと感じています。
1日の流れ(10時〜16時)
実習中は、親が送迎をしました(うちは10時〜16時)。当日のスケジュールは、こんな流れです。
- 10時までに登所 → 10時 作業開始
- 11時 お茶休憩+トイレ誘導
- 12時〜12時半 昼食
- 13時半ごろ 作業再開
- 14時半ごろ お茶休憩
- 16時 一斉に送り出し
うちの子は朝、比較的楽しそうに通えていました。慣れない場所での緊張はあったのか、夜はすぐに寝ましたが、食事や睡眠が大きく崩れることはありませんでした。
実習で「実際にやること」=軽作業の中身
実習で何をするのか。うちの実習先では、軽作業が中心でした。具体的には、こんな内容です。
- 商品パッケージの端にシールを貼る作業
- 廃棄する期限切れの手帳を分解する作業(ビニールカバーと中の紙を分けて、分別して捨てられるようにする)
- 封入や、リサイクルのための分別
このあたりが、その施設のレギュラーの作業のようでした。施設の見学では、「失敗してOK」「できる人ができる部分をやればいい」「2人で1つの作業でもいい」と、ハードルがとても低く設計されているのが印象的でした。
地域の農家さんと連携した作業もありました。野菜の下処理や収穫を手伝い、それが地域の給食につながっていく。「自分のやった仕事が、誰かのご飯になる」——それが本人たちのモチベーションになる、という話でした。
うちの子の週には、太鼓のプログラムもありました。音や振動が苦手な子もいる中で、本人は太鼓が好きで、初めてなのに楽しそうに参加できたようです。施設によって活動は違うので、ここはあくまで一例として読んでください。
親は何をする? 送迎・見学・振り返り面談
親の関わりについて、面談で決まったことです。
- 送迎は車でOK(駐車は施設の案内に従う)
- 親の見学は、作業している姿が確実に見られる「中日(なかび)の午前中」に
- 実習中の写真撮影は、本人の様子のみ・施設内の振り返り用に限る前提で承諾
- 最終日の午後に「振り返り」の面談がある(学校の先生・施設・親・本人で、5日間をふりかえる)
うちは前半(月〜水)は担任の先生が帯同してくれて、後半(木・金)は子ども一人で過ごしました。先生という”お守り”がいない後半が、いわば本当の実習です。ここが一番どきどきしましたが、大きく崩れることなく過ごせました。
配慮してほしいことは、家庭から具体的に伝える
面談では、本人の苦手なことや配慮してほしいことを、家庭から具体的に伝えました。施設も「記載があるかもしれませんが、改めて教えてください」と丁寧に聞いてくれます。うちが伝えたのは、主に3つでした。
トイレ:慣れない環境や退屈なときに失敗してしまうことがある。学校では1時間に1回くらい声をかけて誘導してもらっている、と伝えました。施設でも休憩のタイミングで誘導しつつ、付き添いの先生と連携して様子を見てくれることに。
食事のペース:早食いで、かき込んだり丸呑みしたりする傾向がある。家では食事中に水を置くと一気に流し込んでしまうので、食べ終わってから水を出すようにしている——そんな家庭の工夫まで共有できました。咀嚼やかじり取りはできるので、刻まず普通食で大丈夫、ということも確認しました。
水分:自分でこまめに飲むのが難しい。この時期は脱水も怖い。施設では1日3回お茶を出してくれて、足りなければ水筒で補助、という話になりました。
家庭でのやり方を「そのまま受け止めてもらえる」というのは、思った以上に安心するものでした。
準備しておいて、よかったこと
5日間を終えて、これから実習に臨むご家庭に伝えたい「準備のコツ」を、3つだけ。
1. 着替えは多めに。最終日に近づくほど疲れが出ます。トイレや食事の失敗に備えて、毎日持っていく一式+置いておく一式を分けておくと安心です。
2. 配慮事項は紙やメモにして渡せるように。面談では緊張して言い忘れがちです。トイレ・食事・水分・苦手な刺激など、家でのやり方を箇条書きにしておくと伝えやすいです。
3. 「評価されに行く」と気負わない。施設の方からは「実習はできる・できないを見極める場じゃない」と言ってもらえました。崩れる姿も含めて知ってもらう場、と考えると、親も少し楽になります。
まとめ
- 生活介護の体験実習は、卒業後の通所先を決める「お試し」。本人・家庭・学校・施設で、合うかどうかを一緒に確かめる(うちは平日5日間)
- 持ち物は、上履き・予備の着替え(置く用/毎日用)・汚れ物袋・水筒・昼食代・動きやすい普段着。着替えは多めが安心
- 1日の流れは10時登所〜16時送り出し。途中にお茶休憩とトイレ誘導、12時に昼食
- 実習でやるのは軽作業(シール貼り・封入・分別・手帳の分解、施設によっては農作業や太鼓など)。ハードルは低く設計されている
- 親は送迎・中日午前の見学・最終日の振り返り面談に関わる。前半は先生が帯同、後半は本人一人のことも
- 配慮事項(トイレ・食事・水分)は家庭から具体的に伝える。紙にしておくと言い忘れない
実習は、終わってみれば本人にとって大きな経験でした。これから迎えるご家庭の、準備の足しになればうれしいです。
この記事について
- この記事は2026年時点・5日間の実習を終えて書いた、我が家の記録です。最終更新日:2026年6月28日。施設によって実習の中身・持ち物・スケジュールは異なります。
- 施設名・地名など、特定につながる情報はぼかしています。制度や手続きについては、身近に行政書士(義理の叔母)がいて相談できる環境で書いていますが、私自身は専門家ではありません。実際の準備や支援内容は、各施設・行政窓口でご確認ください。
- 書き手のプロフィールはこちら → /about/
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【参考リンク(公的機関)】
